統計めっちゃ重要
- 作者: イアン・エアーズ,山形浩生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/11/29
- メディア: 単行本
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僕が学生の頃から思っていた、「社会で生きてくには統計の知識めっちゃ重要だって! 文理問わず大学の必須科目にしてほしいくらいだよ」という考えを裏付けてくれた気分です。
ざっくりした内容はこんな感じ。
- 意志決定に統計データを利用して成功するという例が様々な分野で広がっている。
- 統計データの有効性を示す実験:裁判の判決が判事別にどう出るかについて、法律の専門家たちによる予想と過去の統計データによる予測を戦わせてみた。結果は圧倒的に統計データ側の勝利。
- 企業は顧客からどこまで搾り取れるかを膨大な統計データから見いだして、利益が最大になるよう顧客別に売値を調整する、などということが今後きっと増えてくる。
- それに対抗するため、消費者としてのわれわれも統計のことをよく理解して、不平等な価格操作を見抜くサービスを利用するなどして賢い市民にならなきゃいけない。
上にも一つ挙げていますが、その道に通じる専門家が統計データの前に歯が立たないという例が次々に出てきて、なかなか衝撃的です。
もう一つの見所が、「そんな統計なんかによる予測がうまくいくわけない」と、統計データを使ったアドバイスを拒絶してしまう人々の存在。僕も前の段落で「衝撃的です」とか書いてるように、長年蓄えてきた専門的な知識と経験が無機質なデータの計算結果に屈するというのは、感情的には受け入れがたい。人間というのは数字だけでは動かないものですなあ。
経営に数学が活用されているところを見たい、などと思っている人は読んでみると面白いと思います。