文字コードが辿った混沌の歴史
- 作者: 安岡孝一,安岡素子
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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モールス符号にまでさかのぼって、どのようにして文字の符号化がなされてきたのかを追っていきます。一次資料へのポインタが膨大。ASCII以前の時代の話は初めて聞くことばかりで、楽しく読めました。
ただ本の後半、現代に近づいてくるにつれて、規格書などから取ってきた図版がスペースの半分ほどを占めてくるようになって、文章の量が減ってきました。時代が近く多少は馴染みのある各種の符号化方式がどのように発展・消滅していったのか、もっと詳しい解説が読みたかったです。労作であることはよく分かるのですが、ちょっと物足りない感が残ってしまいました。でも一次資料からはっきり言えることだけを述べようとしたらこのくらいになるのかなあ。これは解説書ではなくて歴史書という位置づけなんでしょうし。
「文字コードについて広く勉強したい」という動機なら、もっと良い本があると思います。「文字コード超研究」とか? これはまだ読んでないけど。
ともかく、なかなか自分では購入できないこのような書籍を読む機会を与えてくれる図書館に感謝!