チャンスを逃さない

高校教師が相加相乗平均の新しい証明方法を発見という記事を見て、その論文を読んでみた。

めちゃめちゃ簡潔。論文のアブストラクトが

In this short note, we give another proof of the Geometric-Arithmetic Mean inequality. 

これだけなんだもん。表紙や参考文献を除いた論文の中身はたった3ページ。内容的にも、完全に高校レベルの知識しか使っていない簡単なもの。これを誰も見つけてなかったのか。

ただ、論文の内容もすごいんだけど、これを提出するに至った過程こそ注目すべきところではないかと。記事によると、「フィールズ賞受賞者の広中平祐さんに偶然遭遇→相談してみる→ちょうど良い論文誌があると教えてもらう→投稿」という流れだったそうで、それを見ると、単純に新しい証明を思いつきましたよ、というだけのことではないんだとわかる。

  • 偶然見かけた人が広中先生だとわかるくらい、数学界の有名人について知っていたこと
  • 声をかけてみたこと
  • 本当に論文を書き上げたこと

行動力だよなあ。こんな先生から教えてもらっている生徒達は、さぞよい学習をしていることだろう。